人生を1冊のノートで管理する「バレットジャーナル」のシンプルな始め方
最近、バレットジャーナルなるものを知りました。まっさらなノートを用意し、カレンダー、Todoリスト、勉強の記録、家計簿、メモ…など、日々の管理や記録を取っていき、1冊のノートで自分の人生を記録・管理する手帳術です。
- バレットジャーナルを始めよう
- まずは文房具を用意するべし
- 「ラピッドロギング」と記入ルールを知ろう
- バレットジャーナルの構成【基本編】
- バレットジャーナルの構成【応用編】
- 時間を圧迫するならモジュールを減らしてみる
- 私のバレットジャーナル構成
- ノートを取るのが苦手でも続けやすいのでは?
- バレットジャーナルを始めて変わったこと
バレットジャーナルを始めよう
バレット(箇条書きを表す記号)+ジャーナル(日記)と呼ばれている通り、「箇条書き」で管理するのがバレットジャーナルです。ノートを取るのが苦手だった人でもカンタンかつ端的に自分の人生を記録・管理するノートが作れるのがバレットジャーナルのメリット。
バレットジャーナルについては、開発者Ryder Carrollさんの言葉を日本語訳してくれている分かりやすい記事(バレットジャーナル公式サイト「入門ガイド」日本語訳)もありますし、インスタでもたくさんの人がやっています。
ネットでバレットジャーナルの書き方を探すと『こんなにキレイに書かないといけないの?』という気持ちになるくらい皆さんきれいにまとめていました。
しかしバレットジャーナル全体の構成はよく分からず、結局情報を探し回ることになりました。
そこで、今回は私のバレットジャーナルの内訳も載せつつ、バレットジャーナルの始め方についてまとめています。
色ペンやマスキングテープがなくても始めやすいバレットジャーナル・スターターガイドになればいいなと思います。
どんな手帳も続かなかった人には、バレットジャーナルが向いているかもしれない
私はこんな悩みを持っていました。
- 手帳をとっかえひっかえしている
- デジタル管理も試してみたけど続かない
- 同じレイアウトに飽きてしまう、既成のフォーマットを使うのが苦手
- メモ魔だがメモの整理は苦手
- その場の思いつきで行動する(計画性がない)
- 立てた計画を忘れる、あるいは途中で飽きてやめる
- 忘れっぽく、予定はすぐメモしないと忘れてしまう
- ノートを増やすとどこにメモしたか忘れてしまう
- 過去に何をしていたのか、今何をするべきか、将来何をしたいのか分からない
- 頭の中が常に忙しく、考えすぎて疲れてしまう
- 思考を整理したい
バレットジャーナルはこれらを解消するのにうってつけなので、私といくつか同じ悩みを持っていれば、きっと楽しく続けられると思います。
特に「手帳をとっかえひっかえしている」人は、既成のテンプレートを使うのが苦手である可能性が高いので、バレットジャーナルを試してみる価値はありそうです。
まずは文房具を用意するべし
とりあえず最低限必要なのはこれだけです。
- ノート
- ボールペン
- 定規(ページをキッチリ区切りたい人向け)
私が現在使っているのはモレスキンのA5ノートブラック、ジェットストリームの4色ペン、無印良品の折りたたみ定規。
はじめのうちは有り合わせのもの(中途半端に使った大学ノートなど)で試してみて、『バレットジャーナル、良いかも!』と思ったら新しいノートに書くのもアリですね。バレットジャーナルは、専用のノートを買う必要がないところも利点です。
ノートのマス目はドットか方眼が使いやすいです。罫線はカスタマイズの邪魔になる可能性がありますし、目安となる目盛りがあるほうが書きやすいため白紙もおすすめしません。
「ラピッドロギング」と記入ルールを知ろう
ノートに書き始める前に、バレットジャーナルの書き方のルールについて軽く触れておきます。
知ってるよ!って人は「バレットジャーナルの構成【基本編】」へ
すばやくタスクや予定を書くため、バレットジャーナルでは端的な箇条書きにすることを勧めています(どんなに感情的なことでも)。
いわば、より簡潔に箇条書きを管理・処理するためのルール。それがラピッドロギングです。
バレットジャーナルは、タイトル、ページ番号、タスクを表すバレット(・)、タスクを管理・処理する記号「Key」。これら4つで構成されています。
(1)シンプルなタイトル(トピック)
タイトルをつけます。ToDoリストなら日付でも構いません。
(2)ページ番号
あとで検索しやすいように、ページ番号を振ります。
(3)タスクを表すバレット(・)
バレットは、箇条書きを表す印のことです。タスクを表すマークで予定をどんどん書いていきます。ドット(・)や四角(□)で表す人が多いようです。
(4)バレット(・)にマークする
タスクを完了した、移動したなど、タスクに対して何らかのアクションを取ったらバレットにマークをつけます。
このタスク管理のためのカンタンな記号は「Key」と呼ばれています。
基本形は以下のとおりですが、自分の分かりやすいようにカスタマイズしてOKです。
Key一覧
【基本形】
- ・…タスク
- ○…イベント
- -…メモ
- !…ひらめいたこと。メモ(-)と一緒に使うことも
【タスクを処理したらつけていくマーク】
- ×…完了したタスク
- >…移動したタスク(別の日のタスクへ)
- <…予定に入れたタスク(1ヶ月以内にできないタスク。フューチャーログへ)
- *…優先事項
- 👁…もっと調べること
- ・キャンセル
「>」は移動のマーク。別の日のタスクとして記載します。
1ヶ月以内に完了できそうにないタスクは、「<」を使ってフューチャーログ(後述)へ移動させます。
バレットジャーナルの構成【基本編】
タスクの書き方と記号(Key)の使い方が分かったら、つぎはバレットジャーナルをどう書き進めていくかについて見ていきましょう。
バレットジャーナルは、いくつかのモジュール(部品)を自在に組み合わせて一つのノートに仕上げていきます。
「基本編」で紹介するのは、バレットジャーナルを書く上で必須のモジュールです。以下の4つは必ずバレットジャーナルに組み込みます。
『バレットジャーナルってどうやって書くの?』と悩んでいる方は、とりあえずこの4つを順番通りに書いてしまえばOKです。
1.索引(Index)
- 所要ページ:1~2P
最初のページは、必ず「索引(インデックス)」にしましょう。インデックスを作ることで、読み返したいページをいつでもすぐに探すことができます。
「ラピッドロギンス」でページ番号を振ると決まっているのは、インデックスと対応させるためです。
バレットジャーナルは自由にカスタマイズできる手帳。だからこそ、検索性を上げていつでもお目当てのページをカンタンに開けるようにする必要があります。
2.フューチャーログ(Future Log)
- 所要ページ:2P
半年~1年後にある予定や、いつかやりたいことなど、未来について記録するページです。必要なぶんだけ、ページを区切って書きます。半年分でもいいですし、1年分でも構いません。
3.マンスリーログ(Monthly Log)
- 所要ページ:1~4P
1ヶ月を管理するためのカレンダーページです。ブロックタイプにするかバーチカル(縦)タイプにするかはお好みで。
正確な日付が知りたい場合はブロックタイプ、1ヶ月の流れが知りたい場合はバーチカルタイプがいいでしょう。ブロックタイプは1ページに収まらないので、見開き2ページ分使います。
ブロックタイプのメリットは、予定をぎっちり詰めても見やすいこと。デメリットはセットアップに時間がかかること。
バーチカルタイプのメリットは、セットアップが楽なこと。デメリットは1日につき予定が2~3つしか入れられないこと。
ちなみに公式ではバーチカルタイプを採用しています。手で書いても良いですが、それも面倒だなって思う場合は「貼暦(ハルコヨミ)」というマスキングテープを買うのもありかもしれません。
(ここに貼ったのは 3mm方眼用。測量野帳やジブン手帳IDEAにぴったりです)
4.デイリーログ(Daily Log)
- 所要ページ(見開き1週間の場合):10P
毎日を記録するためのページです。
Todoリストだけで十分ですが、余裕があれば1日の振り返りを書く人もいるようです。
図のように、見開きで1週間ごとに区切る「週間ブロックタイプ」を採用している人が多いですね。
ですがデイリーログは縦に区切るも横に区切るも自由。7日間をキッチリ詰め込む必要もないしこんなにキレイに区切る必要もないので、自分のライフスタイルに合わせて変えちゃってください。
バレットジャーナルの構成【応用編】
ここからは応用編です。上記の【基本編】だけでも十分に機能しますが、バレットジャーナルには何を描いてもOK。まっさらなノートに、自分の必要なモジュールを、必要なぶんだけ書けるのがバレットジャーナルの魅力であり、醍醐味です。
自分がほしいと思ったものは随時追加していきましょう。
やりたいことリスト(Wish List)
- 所要ページ:1~2P
やりたいことを並べたリストです。今年中にやりたいことでも、死ぬ前にやりたい100のことでも良いかもしれません。
ほしいものリスト(want or need List)
- 所要ページ:1~2P
「欲しいもの(WANT)」と「必要なもの(NEED)」をリストアップするページです。どれくらいの予算が必要なのかについても書いておきます。
トラッカー(Tracker)
- 所要ページ:1~2P/1トラッカーあたり
ちょっと独特なモジュールなので図解。
トラッカーとは「追跡するもの」という意味です。
習慣づけたいことを1日1日追っていき、印をつけることで、自分がどれくらいその習慣を続けているのかを追っていくという仕組み。
睡眠&体調トラッカーや貯金トラッカー、学習トラッカーをつくり、目標に向かってどれくらい行動できているのか把握したり、課題を抽出したりするのに役立ちます。
ログ(Log)
- 所要ページ:1~2P/月間あたり
気になることに対して、1~2文ほどの記録をまとめます。
例えば、私は薬を飲んでいるので、薬を飲んだ後の体調変化や副作用についてログを残しています。こうすることで医師に減量・増量、薬の変更などの相談がしやすくなりました。
また、ハッピーログ(その日の嬉しかったこと)を書く人もいます。
ログはトラッカーと相性がよく、組み合わせて使っている人もいるようです。
たとえば睡眠トラッカー+ログ。ログで睡眠時の様子を記載し、トラッカーで何時間眠ったかを記録に残します。すると、「5時間以上寝ると調子が良い」とか「疲れが溜まってくると何時間寝ても調子が出ない」といった情報がパッと見て分かるようになります。睡眠に悩んでいる人は試してみてもいいかもしれません。
時間を圧迫するならモジュールを減らしてみる
応用編で紹介したモジュールは確かに魅力的ですが、これらを足しすぎると毎日手帳に時間を取られすぎて「バレットジャーナルが続かない…!」という事態に陥りかねません。あくまでも「タスク管理のための手帳術」として使うのが、バレットジャーナルを続けるコツです。
私のバレットジャーナル構成
私のバレットジャーナルの構成を紹介します。まだ試行錯誤の段階なので変わるかもしれませんが、今はこんな感じで進めていこうと思っています。
- Key…P.1
- 索引(インデックス)…P.2-3
- フューチャーログ…P.4-5
- 今年の目標…P.6
- やりたいことリスト…P.7
- 欲しいもの+必要なものリスト…P.8
- 月のライフログ…P.9-40
- (月ごとの表紙)…P.9-10
- マンスリーログ…P.11-12
- 1ヶ月の目標&ToDoリスト…P.13
- ウィークリーログ…P.14-23
- 習慣トラッカー…P.24-25
- 睡眠&体調トラッカー…P.26-27
- 集中力トラッカー…P.28
- 読書ログ…P.29
- ハッピーログ…P.30
- フリーページ(雑誌の切り抜きや映画の半券などを貼って、思い出を記録する)…P.31-P40
バレットジャーナル向きのノート
最後に、バレットジャーナル向きの高級ノートをいくつか紹介します。
別に新調しなくても、今ある予備のノートで構いません。でも、新しく買ったお高めのノートにペンを入れる瞬間はテンションあがりますから、スタートダッシュのために新しいノートを買うのもアリですね。
私も使っていない大学ノートが20冊くらいあります。買うのが楽しいんですよね。
ネットだと割高になっていることがあるので、店舗で買ったほうが良いかもしれません。ノートは自分で選んで買うほうがワクワクするので。
紳士なノート
書き心地と手触りを何より大事にしたい人に
バレットジャーナル用ノートはモレスキン派vsロイヒトトゥルム派で二分してるらしいと聞いたんですが、私は紳士なノートの大ファンです(でも今使っているのはトラベラーズノート)。
紙の手触りのなめらかさは他の追従を許しませんね。頬ずりしたくなるようななめらかさです。手触りでノートを選ぶ派にはこれを推します。
ソフトカバーのほうはゴムバンド別売り。コラージュするとノートが膨れ上がるので、専用のゴムバンドを買うといいかもしれません。
ハードカバーにはゴムバンドがついています。
モレスキン
クリエイティブなノートを作りたい人向け
みんな大好きモレスキン。ピカソやヘミングウェイが愛用していたクリエイター御用達のノートです。
ゲルインキなどにじみやすいペンや筆圧の強さによっては、裏からちょっと透けて見えるのが気になるかもしれません。裏写りはしにくいです。
ハードカバーとソフトカバーから選べます。ハードカバーはしっとりとしたオイルクロスで、月日とともに革のように違う表情を見せてくれるため、使い込み甲斐がありますね。
後ろについている収納ポケットが意外と便利。
ロイヒトトゥルム1917
海外では定番のバレットジャーナル・ノート
バレットジャーナルをやるまでロイヒトトゥルムというメーカーを知りませんでした。日本ではあまり有名ではないようですが、海外のバレットジャーナルはロイヒトトゥルムが主流らしいです。バレットジャーナル公式とコラボするくらい人気のブランド。
モレスキンと似てますが、ページ番号あり、インデックスあり、栞紐が2本ついているなど、バレットジャーナルに便利な機能が盛りだくさん。カラーバリエーションも豊富です。
ハードカバーの方はモレスキンよりもちょっと幅が大きく、若干重いです。
店舗での取り扱いが今の所少ないので、こればかりはネットで買うのがいいですね。バレットジャーナル人気がもっと高まれば、実店舗での取り扱いも増えてくるのではないでしょうか。
トラベラーズノート
使い込むほど個性が出る革を楽しみたいなら
革製品が大好きな人は言われなくても使っているかもしれませんが、それでもおすすめしたいのがトラベラーズノート。初期費用もランニングコストも高くつきますが、それを補ってあまりある、革を育てる楽しさが魅力です。
最近、2015年限定モデルだったブルーが解禁されました。やー、かっこいい!!
こっちはレギュラーサイズですが、私はパスポートサイズを普段のメモ用にして、時間があるときバレットジャーナルに清書してます。
革製品はお手入れも楽しみの一つですね。お手入れにはミンクオイルをおすすめします。
お手入れしないとダメになるってわけじゃないですが、本革はお手入れしたほうが断然きれいになりますし、トラベラーズノートにミンクオイルを塗ると革が柔らかくなって使いやすくなるんですよ。
ただ、色が濃くなることがあるので、キャメルやブラウンを使っていて、『今の色が気に入っている』という方はオイルを使わず、ブラッシングだけでいいでしょう。傷が浅ければブラッシングだけでだいぶきれいになります。
ノートを取るのが苦手でも続けやすいのでは?
自分でカスタマイズできるバレットジャーナル、できれば学生の頃に出会っておきたかったですね。
バレットジャーナル公式では「ノートやスクラップを取るのが好き」な人におすすめされていますが、この仕組みはノートを取るのが苦手だった人でも続くんじゃないかなと思います。
私はまっさらな紙の上にノートを取るのが苦手でした(黒板、先生の話、すべて書き留めようとしてしまうからです)。なので、「箇条書きで書く」という制約があるだけでずいぶん書きやすくなりました。
失読症などで文字を書くのが本当に苦手という人にはおすすめできませんが、『何を書いていいか分からない』とか『どこが要点か分からない』と悩んでしまうタイプにはぴったりだと思います。無駄な表現を削ぎ落として箇条書きで表せば、自分が何を書きたいのか、何を必要としているのかを把握しやすいからです。
バレットジャーナルを始めて変わったこと
『バレットジャーナルで人生が変わりました!』というと少し大げさかもしれませんが、やるべきこと・やりたいことが可視化できたことで、ほんの少し生きやすくなりました。
薬の飲み忘れが減り、予定をダブルブッキングすることがなくなり、未消化のタスクをそのまま忘れてしまうこともなくなり、なんとなく悩んでいた体調不良の原因が見えてきて、対策を打てるようになりました。
情報を一元化して、自分のするべきことやしたことが全部収まっているのは忘れっぽい私にちょうどよいですし、トラッカーで自分のできたことを追うとモチベーションが上がります。飽きたらフォーマットを変えればよいだけなので、とても気楽です。
あと、「覚えていよう」とする労力をギリギリまで減らすことができたのも大きいですね。ノートに書き留めておきさえすれば、心置きなく忘れることができます。
きれいに書くことを意識せず、まずはガンガン書いてみて、どんどん試行錯誤していくといいです。
私が学んだのは、とにかく書き進めていかないと「自分に何が必要で、何がいらないのか?」は分からないということです。
自分でカスタマイズでき、気兼ねなく書き進められるバレットジャーナル。手帳術に悩んでいる人は、一度試してみてはいかがでしょうか。
追記:2018/05/27
つい色々なメモを取ってしまうメモ魔な方はこちらもどうぞ。