貯金だけが目的なら家計簿はいらないかもしれない
だめだ、家計簿がまったく続かない…。お金がない…。
何十回と「家計簿」を試行錯誤してきて、ある時ふと思いつきました。
「そうだ、家計簿をつけるのはやめよう」。
私の生活をもっとも困難にするもの、それが刹那的な金銭感覚です。
お金が貯まらない。いまお金を使ったら後々困るかも…という危機管理能力がない。それなのに、家計簿を挫折し続けた回数は100をゆうに超えます。
簿記は知ってますし、他人の確定申告書や企業の決算書をつくった経験もあるので、人よりは「帳簿」に詳しい方じゃないかなあと思ってはいます。
でも、だから家計簿も続けられるか?というとそれはまったく別問題。知識だけでコントロールできればこれほど楽なことはないのですが…。
家計簿が続かない。
お金が貯まらない。それどころか、お金が足りない。
あれ?これ今月の交通費まで全部使ってしまったのでは…。
そんな状況にならないよう、心機一転してお金の管理方法を真剣に考えてみました。
そんな私が至った結論は「家計簿をつけない」です。
「貯金」はしたい、けど家計簿はつけたくない
私はとにかく貯金が苦手です。給料が入ったらいつの間にか全部使ってしまうか、足りないのでカードローンで補う始末。
固定費の支払いは引き落としなので、かろうじて滞納は防げているという状態。
そこで、私が取ったのが以下の対策でした。
- 固定費は給料が入った瞬間に引き落とし用口座へ移す
- 毎朝2,000円を財布に入れるシステム
固定費は給料が入った瞬間に引き落とし用口座へ移す
家賃、水道光熱費、保険、ローンといった絶対に滞納してはいけないものは、給料が入った瞬間に「引き落とし用口座」に移動させます。
完全に「ないもの」として扱うわけです。
こうすることでいちいち支払いに行く手間も省けますし、滞納も防げます。便利!
毎朝2,000円を財布に入れるシステム
いわばセルフおこづかい制です。1日2,000円を財布に入れて、2,000円でやりくりします。
やり方はかんたん。朝、財布に2,000円を入れるだけ。財布の中身は取り出さず、朝に2,000円を入れます。
要は、「むだ遣いしてもいいお金」が毎日2,000円入ってくる状態を作るわけです。
1日2,000円しか使わない生活を送れば自ずといくらか貯まるので、この方法を採用することにしました。
メリット1:逆算しなくていい
セルフおこづかい制の一番のメリットは、「財布の中身は全部使っていい」というところ。
例えば、1週間に1万円!というシステムだと、いろいろとやりくりしなければなりません。
「財布の中は全部使っていい」という方がよっぽど気楽で、続けやすいです。
なお、通販やAmazonで買ったら問答無用で同じ額を貯金箱に入れます。この制限を設けないと「カードだからセーフ!」って言いつつ爆買いしちゃいそうですし。
ちなみにこれ、夜に中身を全部貯金箱に入れてリセットし、毎日2,000円で生きるという方法もあります。ガッツリ貯めたい、無駄遣いをできるだけ減らしたい、1日2,000円使うと貯金に回すお金がなくなる…といった方は毎日リセットするのもおすすめです。
メリット2:財布からお金がなくならない
私はよく、「財布は持ってるけど、お金が入っていない!」と慌てることがあります。
毎朝のルーチンに”財布に2,000円を入れる”と書いておけば、私のように「お金がない!」と騒ぐこともなくなります。もっと早く気づけばよかった…。
メリット3:使わないとお金が溜まっていくので嬉しい
使わないとお金が貯まっていく、という貯金の楽しさをリアルタイムで味わえるのが個人的に好きです。
残金から逆算して「これを買うのはやめとこ…」というマイナスの考え方ではなくて、「我慢したら好きなものが買える!」と考えてお金をやりくりできます。
・固定費は給料が入った瞬間に別の口座へ移す
・毎朝1日2,000円を財布に入れる
・夜、あまったお金は取り出さない or すべて貯金箱へ
家計簿は「貯金ができるようになるツール」ではない
家計簿をはじめとする帳簿は、お金の問題を解決するための「対策を考える」ツールとして優秀です。
しかし、家計簿をつければ貯金ができるようになるわけではありません。
家計簿ではすべての金銭状況を把握できない
そもそもなぜ、帳簿には費用をすべて書かなければならないのでしょうか。
それは、のちのち収益と費用の差額(利益)を把握するためです。
企業会計の場合だと損益計算書(P/L)というものを使い、利益を5種類に分けて算出します。面倒です。
しかし、ほとんどの家計簿は使ったお金を計算するだけの仕様になっています。費用しか書かないんですね。給料を書かせる項目もないですし、純利益を書かせる項目もないので、本当の貯金額(実際、どれくらいのお金が手元に残っているのか)が分かりません。
いっそ貯金を「費用」としてあらかじめ引いちゃえば、少なくとも意図的に貯めたものは把握できますけど、費用の性格を考えると貯金という資産をとっておくために使うのは正確ではありません。
はっきりいうと、「家計簿」は、金銭管理の機能に欠けています。少なくとも、世に出回っている家計簿だけで家計状況をすべて把握するのはムリです。
家計簿は、使い方によっては「現金出納帳」という呼ばれ方もしますが、どちらにせよ帳簿というものは本来「決算書」をつくるためのもの。単体で使うものではありません。現金出納帳は、現金の流れを把握するのに便利だからと別に帳簿をつくっただけです。
だから、本気で家計の金銭管理をしたいなら、家計簿ならぬ家計決算書を作成する必要があります。
費用をすべて書くのは残高を知りたい場合だけ
帳簿というのは、それ単体では一部の機能しか使えません。家計簿の場合、使えるのは「費用の流れを知る」「費用の合計を知る」機能だけ。
費用を全部書くのは、現金の「残高」を正確に把握したいからです。
あれ?じゃあ、別に費用を全部書く必要はないのでは?
なので、私は「費用をすべて書く」ことはやめました。そもそも、費用をすべて書き出そうとして失敗し続けたわけですから。
もし家計簿をつける場合は、コンビニ、自販機、衝動買い…など、「むだ遣い」だけを見える化するのが良いかなと思います。